アーユルヴェーダで知る、「自分の体質」とケア法

アーユルヴェーダで知る、「自分の体質」とケア法



2021年、新しい年が始まりましたね。
まず今年は「自分の体質」を知ることから始めてみませんか?

同じ場所にいても風邪をひく人、ひかない人。同じものを食べても太る人もいれば、体重が変わらない人もいる。あの子とワタシが違う理由。それはそれぞれ体質が違うから。アーユルヴェーダでは、「その人の体質は、世界でただひとりだけ」と考えます。


 アーユルヴェーダの視点から、あなたの体質を知って、自分に合う食材やライフスタイルを確認し、さらに効果的なセルフケアをできる年を目指しましょう。

風・火・水。どのドーシャが強いかで、体質は決まる。

 アーユルヴェーダでは、風、火、水の3つの生命エネルギーのバランスでその人の体質が決まる、と考えます。このバランスはそれぞれ皆違い、状況や季節などで大きく変わるのもよくあること。あなたのいまのバランスはどうですか?チェックしてみましょう!


一番数が多いのがあなたの体質(アーユルヴェーダではドーシャと呼びます)、ということになります。

「私、ドーシャはヴァータなんだよね」

なに言ってるのか分からないと思うますが、訳すと

「私の体質は風のエネルギーが強いです」ということ。

風のエネルギーって・・・?

それぞれのエネルギーを詳しく解説しますね。

 

ヴァータ(風のエネルギー)が強いあなた

風のように機敏で快活
移り気で中性的な繊細タイプ

【特徴】
好奇心に満ち、頭の回転が早く話題も豊富な社交家です。流行にも敏感、じっとしているのが苦手でそわそわした動作がクセの人も。歯並びが悪く肌や髪が乾燥しがち。突発的に不安になり緊張しやすいタイプ。

外見:高/低身長、痩せ型、乾燥肌/髪、鷲鼻、歯並びが悪い 目は細めか小さめ、よく動く。爪ひび割れしやすい。

性格:想像力豊か、束縛嫌い、衝動買いが多い、トレンド好き、おしゃべり、行動力あり、そそっかしく忘れっぽい
 

体質:寒さに弱く冷え性。食が細く不安定。精神状態によって食事を抜いたり、どか食いしたりする。睡眠は浅く、寝付きが悪い。音に敏感。怪我をしても治りが早い。
 

【対策】
凧の糸を手繰り寄せるように、安定を目指し、落ち着いて、ゆっくり温めることを意識しましょう。

 
おすすめの食べ物
甘いもの、酸っぱいもの、塩味のあるもの。

ヴァータの特徴である軽く冷たいものは避けましょう。スープやシチューなど暖かく栄養たっぷりな料理がおすすめです。ナッツやオイルは良質なものをたっぷり食べて、消化力が弱いので生野菜は控えめに。スパイスもたくさん使って、消化力アップや基礎体温上昇を目指しましょう。

 
おすすめの行動

入浴:簡単なようですが、「温める」「リラックスする」の大切な2つが叶います。

適度な運動
:散歩や軽いサイクリング程度がおすすめ

規則正しい生活
:生活リズムが狂うとヴァータは乱れやすくなります。いつもと同じ時間に起きて、同じ時間に食べるようにしましょう。

オイルマッサージ:特に温性の効果が高いごま油でのマッサージがおすすめです。リラックスし、体をいたわり、温めましょう。

 

ピッタ(火のエネルギー)が強いあなた

中肉中背で容姿端麗
美意識高いゴージャス派

【特徴】
鋭い眼光で批判的。相手を打ち負かす強烈さ、優れた知性と行動力で自己実現が高いリーダー気質。頼ってくる人の面倒はとことん見るアネゴ肌。

外見:中肉中背、スタイルが良く関節が柔らかい。肌はキメが細かく、脂性肌の傾向。日焼けをしやすい。髪質は柔らかく細い。若ハゲ、若白髪傾向。均衡が取れた顔、鋭い目つき、ピンクの爪

体質:
暑がり、丈夫。喉が渇きやすく、食欲旺盛。熟睡しやすく短時間睡眠。胃が荒れやすい。そばかす、ほくろ、ニキビ傾向。軟便気味。視覚が敏感。

性格:リーダー気質で野心家。集中力、知性、勇気。自信家。情熱的で、機転が利く。優れた記憶力。競争を好む。完全主義、毒舌、皮肉家、高級品好む

【対策】
暑がりで汗っかき、熱がこもりがちなのでクールダウンを心がけましょう。頑張りすぎず、休むことを覚えるのも大切です。

 
おすすめの食べ物
甘いもの、苦いもの、渋いもの
ピッタの特徴である熱々もの、刺激のあるもの、酸っぱいものは避けましょう。

アルコールもピッチを上げてしまうので気をつけて。体に良いと言われているヨーグルトやお酢も、ピッタの人は少なめに。肌荒れや胃痛がある時は特にやめたほうがいいです。ニンニクやネギなど辛み、刺激のある野菜は避けて、ウリやゴーヤ、キャベツなど苦味、渋み、甘みのあるものをたくさん食べるようにしましょう。

スパイスも体内の熱を高めるので、ニンニクや生姜は控えめに。クールダウンしてくれるミントやバジル、コリアンダーなどがオススメです。
    
 おすすめの行動


適度な休息:頑張りすぎてしまうのがピッタの特徴。明日やるべきことも今日中に終わらせようとしたり。きちんと休息をとって、一息つく習慣を持ちましょう。

刺激のない生活:食べ物はもちろん、ホラー、戦争映画やディベート討論、スポーツ観戦など興奮するものは控えましょう。

運動:何かに挑戦するのが好きなピッタは、達成感のあるスポーツがおすすめ。人とすぐに競争したくなるので、一人で行う山登りやジョギング、水泳などがぴったりです。

 

カパ(水のエネルギー)が強いあなた

色白でふっくらとしたベビーフェイス。
愛情豊かで安定的 


【特徴】
行動も話し方もゆっくりで、愛情深いひと。
争いを嫌うあまりに我慢してしまい、
肉体的にも精神的にも、色々と溜め込んでしまうのも特長です。すぐに停滞してしまい、動くことを嫌がり、変化を受け入れられないようになってしまいます。


外見:体格がいい、肌が厚く、ふくよか。がっしりとした骨格、色白。髪は太く多く、しっとり。大きな口、ふっくらした唇、睫毛が長く丸顔。大きな瞳。歯は大きく整っている。

体質:体力があり、湿気に弱い。食欲安定。ゆっくりとした食べ方。長く深い睡眠。寝起きが悪く、一日中眠いことも。体重が増えやすく、脈はゆっくりで規則的。

性格:安定、思いやり、のんびり、忍耐。動作や話し方もゆっくり。新しいものや挑戦より現状のままを好む。覚えるのに時間がかかるが忘れない。愛情深く献身的、寛大さと穏やかさあり。情に弱く争いごとを避ける。


【対処法】
執着せず、留まらず、心身ともに刺激のある日々を心がけましょう。鼻うがいや乾布摩擦、いつもと違う道を歩くなど外的にも内的にも常に刺激を与え、同じところに留まらないよう心がけましょう。

 

おすすめの食べ物
辛いもの、苦いもの、渋いもの

カパの特徴である冷たいもの、重いものは避けましょう。甘いもの、揚げ物、ヨーグルトなどの乳製品は少なめに。食べ過ぎや食後の昼寝も、カパには大敵です。苦味と辛味のある野菜がおすすめです。

アスパラガス、苦瓜、ブロッコリー、キャベツ、人参、カリフラワー、セロリなどをなるべく火を通して。スパイスを効かせたグリルサラダが特におすすめ。乳製品や肉は消化が遅くなりがちなので、少量を少しずつ。ナッツも控えめに。刺激をくれるスパイスはたっぷりと。特にジンジャー、唐辛子、コリアンダーがおすすめ。


おすすめの行動

6時までの起床:一日の中にもドーシャがあると言われています。朝の6時から10時までは、カパの時間。6時以降に目覚めると一日だるくなりがちです。睡眠時間も6時間程度と短めでも大丈夫。早起きを心がけましょう。

軽めの食事:カパの場合は朝食を抜いても構いません。多めに摂るなら昼に。夜もなるべく早い時間に、軽めを心がけましょう。

刺激を与える:朝日を浴びながらのランニング、乾布摩擦、鼻うがいなど。激しめの運動もおすすめです。そしてなるべく冷やさないように心がけましょう。

いかがでしたか?

これこれ、ワタシ!と思った方も多いのではないでしょうか。そして、人はこの3つのドーシャが必ず混ざっているもの。「ピッタとカパ、同じくらい特徴あるんですけど!」という人は、いまの悩みを見つめてみましょう。

胃痛や肌荒れに悩んでいるのなら、ピッタが強めに。便秘や冷えが気になるのなら、カパが強めに出ている証拠。抑えるためには、それぞれの特徴の逆のことをすればいいのです。 


ドーシャを覚えれば、人間関係にも役立つ

性格も体質の特徴、と考えるアーユルヴェーダだからこそ、その人のドーシャがわかれば、付き合い方も変えることができます。

例えば常に上から目線で皮肉屋な人は、ピッタ(火のエネルギー)が高い人。人をコントロールすることは難しいですが、納得するだけでもずいぶんと楽になれるはず。

自分を見つめて、そして人も見つめて、許しながらケアしていく。そんなアーユルヴェーダはとても理論的。異国のおまじないではなく、現在の私たちにこそ役立つ知恵が満載です。 

【ちなみにアーユルヴェーダとは】

5千年前にインドで生まれた伝統医療。インドやスリランカには国立のアーユルヴェーダ医大や病院までもが存在する、れっきとした医療です。

私たちになじみのある西洋医療との違いは、病気になる前に、生活のなかでケアできるセルフケアのアドバイスが溢れているところ。

健康で幸せに生きるために」、医療の分野を大きく超えて、哲学やライフスタイル、自然との共生、心のあり方まで言及しているとても広く深い分野を持つのがアーユルヴェーダです。

ヨガやデトックス、オイルプリングにマインドフルネスなどなど、最近流行っている健康法も、アーユルヴェーダが数千年も前からすすめてきたこと。現代にもフィットする知恵を、楽しく学んでいきましょう。

  

ライター:三野村なつめ
アーユルヴェーダ・アドバイザー。
「アーユルヴェーダを気軽に毎日へ」をコンセプトにコスメブランドARYURVIST(アーユルヴィスト)を立ち上げる。https://aryurvist.theshop.jp/

レシピと体質別のスパイスキットをお届けする新サービス「整えごはん」主宰。https://totonoegohan.theshop.jp

 

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